容積率オーバーの違反建物「車庫転」とは?
「車庫転(シャコテン)」とは、建築確認は車庫で申請して、完成後に車庫部分を住居に転用することです。
これをすることによって、車庫にしておくよりも収益性は上がりますが、容積率オーバーの違法物件となってしまいます。
マンションの1階部分は駐車場となっている事が多いですが、この駐車場に関しては容積率の不算入措置を受けて建てられています。
駐車場以外にも、容積率の不算入措置を受けれるものとしては、共用廊下や階段、地階の住宅部分、倉庫部分等があります。
また、タワーマンション等では敷地内に一定の面積の公開空地を有することによって容積率の緩和措置を受けることができます。
車庫転は、役所に建築確認をする時はこの容積率の不算入措置を受けた駐車場をつくるとみせかけて、建築確認がおり工事着工してから、駐車場をつくる予定であった部分を勝手に店舗などに変えてしまう方法です。
「車庫転」のような批判建物が出来る理由
何故このような建物が建てれたかというと、平成初期までは、建物が完成してからの検査「完了検査」を受けていない建物が多く、昔はこの検査を省略する業者も多かった為です。
普通は、建物を建てる際に「建築確認→中間検査→完了検査」の3つを受ける必要があり、この3がすべて完了すると「検査済証」が交付されます。
しかし、昔は中間検査まで終われば、金融機関から融資を受けることもできた為、検査済証の交付を受ける意味があまりなかった事もあり、完了検査まで受けずに、収益性を高めることができる「車庫転」の建物が多く建築されていました。
この方法で建築された建物は大阪で特に多く、普通はこの容積率オーバーの物件に融資をしてくれる金融機関はないのですが、大阪ではあまりにもこういった多いため、一部の銀行やノンバンク等では借入が可能です。
また、違法物件を購入すると追加融資を受けれなくなると思って、大阪の不動産投資用に法人をつくっている方もいるようですが、実際には、違法物件を所有しているだけで融資を受けれないという事はないようです。
私のお客様の中にも「車庫転」の物件を購入し、次の収益物件を購入する際、都市銀行から追加融資を受けることが出来ていました。
「車庫転」の物件は利回りが高くなっているというメリットもありますが、違反が酷い場合には役所から使用禁止命令を受けることもあります。
地域によってこのような特徴もある為、違反建物だから絶対に融資を受けられない、個人の信用毀損になると諦めるのではなく、色々と物件選びの選択肢を増やしてみても不動産投資はおもしろくなると思います。