立川反戦ビラ配布事件、葛飾政党ビラ配布事件
不動産チラシのポスティングは違法行為！？
「そんなもん入れるな！ゴミになる！」
不動産の仲介をしている方は必ず経験した事がある「ポスティング」
ポスティングをしていると怒られる事もよくあります。
果たして、ポスティングは違法行為になるのか…
結論、ポスティング自体は違法行為ではありません。
ただし、場合によっては住居侵入罪に該当する可能性があります。
最高裁まで争った２つの事件
下記、ポスティングに関して最高裁まで争った２つの判例も、住居侵入罪に該当するかどうかが焦点となっています。
【立川反戦ビラ配布事件】
■2004年、立川自衛隊の官舎に立ち入って反戦を訴えるビラをポストに投函した3名が、住居侵入で逮捕され、最高裁で有罪が確定した。
■ビラに記載されていた内容の一部
「自衛官のみなさん・家族のみなさんへ イラクへの派兵が，何をもたらすというのか？」
「自衛官のみなさん・家族のみなさんへ 殺すのも・殺されるのもイヤだと言おう」
「イラクへ行くな，自衛隊！ 戦争では何も解決しない」
■敷地内への立ち入りやビラ配りを禁止する貼り札が掲示されているにも関わらず、複数回にわたって侵入・玄関ドアポストに投函していて、そのたびに被害届を出されていたことが重視されました。
【葛飾政党ビラ配布事件】
■2004年、葛飾区のマンションに特定の政党の議会報告やアンケートを玄関ドアポストに投函していた男が、住民に住居侵入として現行犯逮捕され、最高裁で有罪が確定した。
その他、ポスティングが違法行為となる可能性
■郵便物でいっぱいに詰まっているポストに無理にチラシを投函して、ポストを壊してしまった → 刑法の器物損壊罪
■ポスティングをするため、マンションなどの敷地内に入り自転車を止めた → 刑法の住居侵入罪
■間違って投函したチラシを、ポストから無断で取り戻した → 軽犯罪法違反
■ピンクチラシ等のわいせつなチラシを投函した場合 → 風俗営業法や都道府県の迷惑防止条例に該当します。
まとめ
ポスティングに関するクレームはよくある事ではありますが、実際に逮捕や裁判になることはほとんどありません。
少なくとも私の身近では不動産のチラシをポスティングして逮捕されたり、訴えられた人は一人もいません。
新聞を取らない世帯が増えてる今、不動産の折込チラシを見て購入希望や売却希望の問い合わせを受けれる可能性はかなり低くなっています。
折込チラシ自体をやめている大手不動産会社も複数あります。
新聞を取らない世帯の多い今、不動産会社にとってこのポスティングはかなり重要なことです。
また、チラシを見ての売却査定相談と、ネットの一括査定とでは売却依頼の受託確率が全く違います。
正直なところマンションのエントランスに、ただチラシ投函禁止と書かれているくらいでは、それを無視してチラシを投函する業者がほとんどのように思います。
ポストに個別で「チラシを入れないでください」という大きめのシールが貼ってあれば絶対に投函はしません。
毎日のように不動産のチラシを入れられて迷惑を被っている方も多いかと思いますが、ポストに投函された一枚のチラシから結ばれるご縁もあります。
何回注意してもポストにチラシを投函する等の一部の悪質な業者は別として、できるだけポスティングによる広告活動を容認していただきたいです。
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